2018年1月第94回箱根駅伝は圧巻の4連覇

2018年の箱根駅伝を制したのは、青山学院大学でした。
青山学院大学の圧倒的な層の厚さを感じた圧巻の4連覇です。

チーム全体のレベルの高さも含め、勝利へ向けて監督の入念な計画と健康管理が選手全員の実力を引き出した結果といえるでしょう。

毎年のことですが、箱根駅伝は「感動のドラマ」が生まれます。
しかし、本当に注目するべきは各区を任された選手たちの活躍です。

数多くある駅伝の中でも注目を集める箱根駅伝はその伝統もさることながら、厳しいコースが魅力です。
各区間には高低差があり、ゴールまでの道のりはかなりハードです。
特に第5区は標高差が860メートルの激しい山登りとなっており、毎年大注目の見所となっています。

ここでの活躍が著しかった選手は「山の神」として脚光を浴びます。

多くの箱根駅伝ファンから長きに渡って語り継がれる選手の登場を、毎年楽しみにしているという人は少なくはないでしょう。

箱根駅伝で山を制した伝説選手「山の神」の今

箱根駅伝では「花の2区」と呼ばれる区があります。
2区(23.1キロ)は、ほかの区より距離が長いので各大学を代表する長距離走のエースが揃います。
そのため「花の二区」、「エース区間」とも呼ばれます。

しかし、それ以上にワクワクさせられるのが山登りの5区ではないでしょうか。

「山の神」の生みの親、順天堂大学 今井正人選手

箱根駅伝で「山の神」という名称が生まれたきっかけは、順天堂大学で活躍した今井正人選手の活躍からです。
大学2年で達成した歴代最多となる、11人を抜き去っての区間記録は最早伝説となっています。

このとき、今井選手がフィニッシュする瞬間にアナウンサーが興奮しながら
「山の神、ここに降臨!」
と絶叫したことは、応援するだれもの想いだったと思います。

今井選手の活躍はテレビやスポーツ新聞など、多くのメディアでも大きく取り上げられました。
箱根駅伝の歴史を大きく動かした立役者と言えるでしょう。

箱根駅伝を卒業した現在は?

彼は順天堂大学卒業後、トヨタ自動車九州へ入社。
現在はマラソン選手として活躍しており、元旦の実業団駅伝でその雄志を観ることができます。

山の神を引き継いだ、東洋大学 柏原竜二選手

その後の箱根駅伝で「山の神」を引き継いだのが東洋大学で活躍した柏原竜二選手です。

彼も他を寄せ付けない驚異的な速さで山登りを制しました。

柏原選手は1年生では8人抜き、2年生では6人抜きを達成し、東洋大学を往路優勝へと導きます。

箱根駅伝を卒業した現在は?

卒業後は優秀な成績を評価され、富士通に入社しました。
しかし、実業団での成績は目立ったものはなく、故障が続き過去のベストタイムを伸ばすことができませんでした。

引退した現在は同社のフットボールチームのマネージャー業務を行ない、競技者としての経験を生かしています。

記憶に新しい?!強い青学の立役者、青山学院大学 神野大地選手

「山の神」と称された選手の中でもひと際多くのファンを集めたのが、青山学院大学の神野大地選手でしょう。

彼が箱根駅伝に選手として参加したのは2年生。当時は花の2区を任されていたようです。

そして、山登りの5区を任されたのは3年生のとき。
そのときの活躍が驚異的なもので、トップとの46秒差を覆し、そのまま圧倒的な差をつけ青山学院大学を初めての箱根駅伝優勝へと導きました。

箱根駅伝を卒業した現在は?

神野選手は卒業後、コニカミノルタに所属。
マラソンを中心に長距離選手として活躍しています。

今年もいろんなマラソン大会に招待選手やゲストランナーとして参加しており、2月に行われる香川丸亀国際ハーフマラソンや、3月に行われる練馬こぶしハーフマラソンにも出場予定です。


※引用元: http://www.km-half.com/
香川丸亀国際ハーフマラソン詳細はこちら

「レース中に何と声をかけて呼ばれたいか?」という問いに対し、
コニカミノルタ陸上競技部の神野大地選手のHPプロフィールによると…「大地 いけー!!」だそうです。
応援に行かれる方は「大地 いけー!!」と声援を送ってみてください。

山の神だけじゃない!リオ五輪にも出場した、箱根駅伝のスター選手

「山の神」だけではなく、箱根駅伝のスター選手として思い出すのが早稲田大学の大迫傑選手です。

彼は1年生のときに1区を任され、圧倒的な速さで独走状態となり他の選手を一気に引き離し、その差で早稲田が逃げ切る形で優勝を果たします。

このときの早稲田大学優勝は、大迫選手の活躍があったからと言ってもいいのではないでしょうか。

彼もまた卒業後はナイキオレゴンプロジェクトに所属、リオデジャネイロオリンピックにも出場しています。
2月に行われる香川丸亀国際ハーフマラソンには大迫選手も出場されるようです。

また箱根駅伝に出場する選手の尊敬している選手としても多く名前の挙がる大迫選手。
その爽やかなルックスで一般女性の人気も高いです。

たすきを繋ぐ、さらにシード権を獲得するというサバイバル

お正月の風物詩となっている箱根駅伝。
往路、復路、そして総合優勝を果たした大学の注目度が大きいものです。

駅伝ファンにとっては毎年どこの大学が優勝を勝ち取るのか気になるものでしょう。

しかし、注目を集める優勝校だけでなく、各大学には「たすきを途切れさせない」という使命と、さらに「シード権を獲得する」という命題があります。 

今年も復路最終10区へ繋ぐ鶴見中継所で、國學院大學が「あと5秒」で襷繋げず、非情の繰り上げスタートとなりました。

また箱根駅伝で争われるシード校の数は10校。
その切符を争う箱根駅伝は各大学からの参加選手全ての血と汗と努力の結晶と言っても過言ではないでしょう。

今年は順天堂大学、駒澤大学、神奈川大学といったシード常連の強豪校がシードを獲得できなかったため、予選会からのスタートとなります。

大学という大きな枠にとらわれず、各選手の一人一人の走りに注目してみるとドラマがあります。
各選手の様々な背景に注目して走りをみるのも醍醐味です。

箱根駅伝で注目される、記録と記憶に残るようなスター選手の登場にこれからも期待しておきましょう。
毎年ドラマが生まれている箱根駅伝ですが、今後も次世代の「山の神」「スター選手」誕生に目が離せませんね。