マラソンやジョギングは一過性のブームを超えて、気軽に参加できるスポーツとして生活習慣に取り入れられている印象があります。最近はオシャレなウエアも登場し、女性ランナーも増えていますね。

多くの愛好家がいるランですが、毎日決まったコースを走るだけでは飽きてしまうなど、モチベーションを継続できないランナーがいることも否めません。

各地で非日常のおもしろいランニングイベントが開催されていますから、ユニークなマラソン大会に出場してモチベーションをリセットしてみてはいかがでしょうか。

ひと口に「ランニングイベント」といっても、これからランニングを始めたい、という人を対象にした初心者向けのイベントから、フルマラソンでの記録向上を目的にしている人にオススメのイベントまでさまざまです。

マラソンを頑張りすぎてちょっと「燃え尽き症候群」になりそうなとき、違う楽しみ方に出会うのもいいモノです。
自分にあったランニングイベントを選ぶとき、まずあなたがどんな楽しみ方を求めているか、目的をハッキリさせることが重要になってきます。

今回は、そんな目的別にどんなランニングイベントがあるのかについてご紹介していきます。

初心者にオススメ!ランニング仲間を作りたいなら「街ラン」

ランニングは一人でも始められる手軽さが魅力のスポーツですが、やはり仲間がいた方が楽しいですよね。
そんなランニング仲間をつくるのに最適なイベントが、街中をみんなで走る「街ラン」イベントです。

「街ラン」とは、いつもの場所で、オリジナルのテーマを決め、季節を楽しみながら、メンバーと走る、という感じです。ちょっとだけ目線を変えて、いつもの街を走ることで楽しみ方も変わってきます。

たとえば、普段、通勤や買い物など目的地に意識を集中することで見過ごしている、街の道路にもオシャレなセレクトショップやセンスの良いカフェを見つけられるのも、街ランの楽しみ。

通勤のときなど、出勤は普通にハイヒールで出勤して、帰りはランニングシューズに履き替えて、街の景色を楽しみながら走って帰ってみるのも「街ラン」の楽しみ方です。
ランニングを楽しんだあとのシャワーは最高ですよね。夕食やビールも格別に美味しくなります。

「街ラン」のキーワードは「自由」。
スタートもゴールもコースも自由に決めて、いつもの街、行ってみたかった街を楽しんでみましょう!

イベントとして開催される「街ラン」は、たいていの場合、単に走るだけではなく、観光スポットを巡ったり、ご当地の有名スイーツを食べたりといった、お楽しみがあることも多いので要チェックです。

多く「街ラン」のペースはキロ7分程度、距離は長くても10km程度なので、まだ走力に自信がなくてもついていけるレベルだと思います。
参加者は共通の話題があるので、初対面同士でもすぐに会話のきっかけをつかんで話せるようになるのがこのタイプのイベントの良いところです。

参加してみたい「ファンラン」もいっぱい!

「ファンラン」とは「fun running」の略で、「fun(楽しい、おもしろい)」という意味のとおり、「ランニングを思いっきり楽しんじゃおう!」ということをコンセプトとして開催されているイベントです。

「おもしろく、楽しむ」ことが目的ですから、タイムや自己ベスト更新を目指すマラソンや大会とは違います。

とにかく楽しく、おもしろく、参加者同士で写真を撮ったり、泡の中を走ったり、色とりどりのスプレーを浴びながら走ったり、仮装やお気に入りのコーディネートで盛り上がりながらランニングを楽しみます。
なかには、給水所が「給スイーツ所」になっている女子が喜びそうなフードランニングなんていうおもしろい大会もあります。

つまり、「ファンラン」はタイムを気にしないでコミュニケーションを楽しみながら走るイベントなのです。

これまでに開催された「ファンラン」の一部をご紹介すると…

カラーラン(The Color Run™)(千葉県)

ルールは真っ白なTシャツを着用すること。ランナーは走っているとき、カラーパウダーを浴びます。それによって白いTシャツはカラフルな色に染まり、ゴールするときには、全身カラフルになってしまうというユニークなランニングイベントです。

富里スイカロードレース(千葉)

富里町の名物、スイカを給水代わりに食べられるというレース。マラソンとご当地名物が楽しめます。

伊平屋ムーンライトマラソン(沖縄県)

日暮れを走るのでゴールするときは夜になります。

暑い日中のマラソンではないので、体力の消耗が少なく、日焼けもなく、沖縄のキレイな月を楽しみながら走る夜のマラソン大会。

前夜祭、後夜祭もイベントが盛りだくさん。沖縄料理や泡盛がふるまわれたりします。

甲州フルーツマラソン大会(山梨県)

ゴールすると、甲州名物のワイン飲み放題が待っています。ワイン好きにはたまらないイベントですね!

桐ゲタ健康マラソン(福島県)

その名のとおり、ゲタをはいて走ります。想像通りですがタイムは望めません。

青山ラブカップルランニング in 国立競技場(東京都)

街婚のマラソン版といった感じで、男女のカップリングや婚活をメインとしたマラソンです。

大阪ごちそうマラソン(大阪府)

食い倒れの大阪らしく、レースの途中でたこ焼きやお寿司などが食べられる、グルメな人にはありがたいレースです。 友達とワイワイ参加するのも楽しそう!

大阪城リレーマラソン(大阪府)

コスプレで参加するお祭りのようなイベントマラソン。大阪城公園をリレーによって周回していきます。

このほかにもユニークな「ファンラン」はたくさんあります。

どのイベントも距離はせいぜい5km程度と短め。
「走る」というよりも「はしゃぐ」という方が正確かもしれませんね。

真剣に走りたい人にはオススメしませんが、「気分転換におもしろいランがしたい!」「大騒ぎしながら走りたい!」。そんなときには最高のイベントです。

仲間と盛り上がりたいなら駅伝がオススメ

ラン仲間が増えてきたら、各地で開催されている駅伝大会にチームを組んでエントリーしてみるのもオススメです。

駅伝というと「出場するのは速いランナーばかりじゃないの?」と思うかもしれませんが、実際にはそんなガチで走るランナーばかりではありません。
むしろ、全員仮装で走るなど、ファンラン的なチームも多いので、気後れする必要はまったくありません。

駅伝大会では、会場として陸上競技場の他にもスタジアムやランニングコースのある公園などの周回コースが使われます。
一人あたりの走行距離は短めなので、長い距離を走ったことがない人でも、チームに引っ張り込むことができるのもポイントです。

全員でタスキをつないで走った後の乾杯は格別! 打ち上げも盛り上がること間違いなしでしょう。

フルマラソンで結果を出したいなら30km走

ランニングを始めたら、やはり挑戦したくなるのがフルマラソン。
フルマラソンを走る前に一度はやっておきたいのが30km走です。
30kmを走ることで本番のイメージがつかめるので、フルマラソンの予習としてオススメな練習法です。

しかし、ただ単に30kmをダラダラ走ればいいわけではありません。
信号などのない周回コースを使って、しっかりとペース管理しながら走らなければ効果的な練習にはなりません。

とはいえ、一人で30kmを黙々と走るのもなかなか心が折れるものです。
そこでおすすめしたいのが、大きな大会の1か月前頃に開催される30km走です。
有名なランニングクラブやランニングステーションが主催していることが多く、たいてい「プレ〇〇マラソン」といったイベント名がついています。

この30km走イベントでは、1キロ4分~7分で設定したペースメーカーがついて参加者を先導してくれます。
自分自身でペースを設定してキープするのはなかなか大変ですが、ペースメーカーについていけば、そういった心配は無用です。

また、集団で走ると一人のときとは違って、途中でキツイと思ってもなかなかリタイヤしずらくて、結局、最後まで走り切れてしまった…… というのもメリットかもしれません。

スピードを極める! タイムトライアル&インターバル

ランニングにハマってくると「もっと速く走りたい、自己ベストを更新したい!」と思うことは自然なことです。
そんなときには、多くのランニングクラブなどが主催しているスピード系のイベントに出てみてもいいでしょう。

スピード系イベントの主流は「タイムトライアル」と「インターバル」です。
「タイムトライアル」はいってみれば、運動会のかけっこと同じ、5000mなど一定の距離を走ってタイムを計測します。

「インターバル」は1kmなど、一定の距離をほぼ全速力で走った後、リカバリーでゆっくりとジョグ、これをセットにして複数回行うものです。

いずれも陸上競技場のトラックで行うことが多いのですが、正直、非常にハードなトレーニングです。
それだけに、設定したペースでやりきれたときのうれしさは格別です。

レースで必要なペース感覚を磨いたり、持久力や心肺機能の向上に効果があるといわれています。
このトレーニングも30km走と同じく、相当な意志の強さが必要になります。スピードアップを目指すなら気合いを入れてイベントに参加して挑戦してみるのが一番でしょう。
「ピリッとした緊張感のある雰囲気の中で走ってみる」、きっとそれもいい刺激になるに違いありません。