「マラソン初心者」といっても、日頃運動をしている人と、していない人では基礎体力に違いがあります。
ですから初心者であってもトレーニング方法に違いが出るのは当然です。

初心者がトレーニングをおろそかにしていきなりマラソンにチャレンジすることはマラソン最中の事故やその後のカラダに与えるダメージを考えると危険です。
マラソン経験者であれば、マラソンというスポーツがカラダに大きな負担のかかるスポーツだということは身に染みて感じていることでしょう。
初心者であればなおさらです。

本来であれば、一人ひとりの日常生活にあったトレーニングをご提案するべきですが、ここでは「マラソン初心者」という大きなくくりの知識として、「食事」「運動」「準備」「心構え」などをご紹介いたします。

エネルギーをつけために炭水化物?!前日の食事で気を付けること

初めてのマラソンの場合、気負ってしまい
「食事はしっかりしなければいけない」
「これを食べておけばバテにくい」
など、気にしがちですが、前日の食事だけで劇的に当日のコンディションが変わるということはありません。

ですから、あまり深く気にしないほうがメンタル面でもいいと思います。

炭水化物を摂ってエネルギーを溜めよう!

まず、マラソン大会前日はエネルギーを溜めることが重要になります。
そのためには、走るために必要なエネルギーである「炭水化物」を多く摂る必要があります。

特にフルマラソンを走る場合、大会3日前からは「エネルギーを溜める期間」となるため、炭水化物中心の食生活に切り替えることが大切になります。
一般的にも「炭水化物を多く摂取したほうが良い」といわれていますが、あまり意識することなく自分の好きな食べ物である、ご飯類、パスタ類などを普段どおりに摂るようにしている人も多いようです。

食事の「量」ですが、普段の食事+ご飯の量を増やすということではなく、いつもの食事の炭水化物の「割合を増やす」ということになります。

そのため、全体的な食事の量を増やすということではないので間違えないようにしてください。

また、大会前日は、消化不良を起こしたら実力を十分に発揮できませんからお腹に優しい食品を摂ることも大切です。
生ものに当たる可能性は非常に少ないのですが、当たる可能性を考えると生ものを避けることも重要です。

もちろん、普段食べ慣れない食品もNG!お酒も控えましょう

食べ慣れていない食品を食べることでお腹を壊す可能性もありますし、
慣れない物を食べることで「お腹の調子が悪くなるのでは…」と不安を感じて、それが体調に影響してしまう場合があるからです。

さらに、食物繊維を摂り過ぎないことも大切です。
食物繊維はガスの元になるので、走っている最中にガスが溜まり、腹痛の原因になります。
そのため、大会前日は、食物繊維をあまり摂らない方がいいでしょう。

もちろん、前日の飲酒は禁物です。
胃腸の調子をしっかり整えておくためにもアルコールは控えましょう。

本番が心配…前日の運動や練習はどれくらい?

マラソン大会の2週間くらい前になったら、徐々に練習量を減らしていきましょう。
これは、脚を休ませることによって、調子を上げていくためです。

さらに、大会3日前からは練習量を思い切って落とします。このタイミングでたくさん走ってしまうと疲労が蓄積してしまい、大会で実力を発揮できなくなるので、不安になるくらい練習量を落とすといいでしょう。
前日は軽くジョギングする程度にとどめても大丈夫です。

よくマラソン大会に出場する人の体験談をご紹介!

普段からマラソン大会に出場している経験者のAさんの体験談をご紹介します。

普段の練習では、多いときには月間200km以上、週末の土日で60kmぐらい走っていた時期もあったので、その過信から前日に

「20km弱程度なら走っても大丈夫だろう」

と走り込んで翌日の本番に臨んだこともありました。

そのときは確実に足に疲労がくる速さが異なり、早々に走れなくなってしまった経験があります。

走らないと不安かもしれませんが、大会前日の練習は、ウォーミングアップのような練習で十分です。
普段13~20kmくらい走っている人は、5kmくらいでかまわないと思います。普段の練習量がもっと少ない人は、2~3kmくらい走ればいいでしょう。

カラダが硬く感じている場合や、カラダを十分にほぐしたい場合は、大会前日にストレッチを行いましょう。

フルマラソンを完走しきったことが何度かある人でも大抵30kmを超えたあたりから、足への疲労感等大分強くなります。
とにかく、大会前日は力を溜めることが大切になります。

準備は前日までに!当日の荷物や準備する持ち物は?

マラソン大会に参加するときに準備する持ち物のうち、基本的なものを紹介します。

ウェアー

走るときの服装(ランパンやランシャツ)。ウェアーの下に普段の練習から上下ともスパッツ形なサポーターを愛用している人も多いでしょう。
そういった普段から使用しているウェアでも、当日は忘れてしまうこともしばしば…。必ず前日に確認してください。

シューズ

自身の走力にあったシューズを履き、必ずある程度走りこんだシューズで大会に参加してください。
履きなれていないシューズを選ぶと、靴擦れの原因や練習通りの力が発揮できません。

走りながら取るエネルギー補給材

アミノ酸のサプリやゼリー飲料、水やスポーツドリンクなどの飲み物を用意します。
エネルギー補給材は、非常に重要で、フルマラソンの場合42.195kmをエネルギー切れすることなく走りきれるか否かはレース中のエネルギー補給の上手さにかかっていると思っています。
スタート前、お腹が減ったときに摂るモノとしてゼリー飲料は消化に良いのでオススメです。

番外編:ワセリン、擦れ防止クリーム

走っているとき股擦れやウェアーで乳首が擦れることがあるので、擦れを防ぐために、ワセリンや股擦れ防止用のクリームを持って行くと安心です。
また、クリームは走る前に足の裏に塗ると、マメができるのを防止する効果があるので必ず持参しましょう。

このほかにも、タオル、GPS機能付き時計、レジャーシート、着換えポンチョ(会場に更衣室が無い場合でも着替えることができる)、ティッシュ、受付表、お金、保険証(万が一トラブルが起きた時に必要)、ビニール袋、下着や靴下などの着替え、スマートフォン、ワンタッチでゼッケンが止められる「ゼッケン留め」、ウィンドブレーカー(風雨対策)があると安心です。

ドキドキして眠れない…前日のリフレッシュ方法!

初めてマラソンを走る前日は、非常に緊張して
「走りきれるか…」、
「途中で倒れたりしないか…」
など心配になると思います。

大会経験者によると、初マラソンに臨む際に心強く感じたことが二つあるそうです。

ひとつは、「一緒に走る仲間」。
もう一つは、「これまで積み重ねてきた練習量」です。

初心者も経験者もスタートに立てば、同じ大会を一緒に走る仲間です。
お互いに元気付けられることはとっても心強かったです。

スタートを待つとき、側にいるのが経験者であれば経験談を聞くことができますし、そうでなければ不安な気持ちを分かち合うことができます。
なにげない会話でもスタート前はリラックスすることができるでしょう。

スタートラインに立って走ることを色々考えていても仕方ありません。
今まで練習してきたとおりの実力が発揮できればベストですから、色々考えても無駄です。緊張するほど考えすぎないようにしましょう。

気持ちを入れるのは、スタート10分前くらいとして無駄な緊張はしないようにし、リラックスするように心がけましょう。

そして、なによりも大事なことは練習を積み重ねてきた自分を信じることです。
これまで練習してきたことを思い浮かべて「走りきれなくてもまた次があるさ」くらいの気持ちで臨みましょう!