「マラソンにはドラマがある」とか「人生はマラソンのようだ」とよく表現されますね。
それほど「走る」ということは魅力的なのでしょう。

たしかにマラソンは、長い距離を黙々と走り続け、山あり谷ありの難所を駆け抜けてゴールを目指していく感動のスポーツです。
そんなマラソンの魅力は、なんといってもゴールテープを切る「達成感」。このシンプルで、辛く、苦しいスポーツは、「駅伝」にも通じます。「駅伝」ともなれば、その魅力に「絆」や「仲間」、「タスキ」という胸がキュンキュンするキーワードが入ってきます。たしかに「走る」をテーマとした映画やドラマも多くあります。

そこで、マラソンを縦軸に、さまざまな人間関係を横軸に絡ませた感動作を集めてきました。

奈緒子

公開日:2008年2月16日
監督:古厩智之
脚本:古厩智之
主演・出演:上野樹里 (篠宮奈緒子)、三浦春馬 (壱岐雄介)、笑福亭鶴瓶(西浦天宣)他

あらすじ:

「ビッグコミックスピリッツ」で連載され人気を博した同名コミックを上野樹里&三浦春馬主演で映画化した青春ドラマ。
喘息の療養のために長崎県波切島を訪れた12歳の奈緒子は、走ることが大好きな10歳の雄介と出会う。しかし海に落ちた奈緒子を助けようとした雄介の父が帰らぬ人となってしまい、2人とも心に大きな傷を負う。
それから6年後、奈緒子は天才ランナーに成長した雄介と東京で再会を果たし……。

引用:http://eiga.com/

おすすめポイント

9年もの長期連載で200万部を突破したベストセラーコミックの映画化。ドラマの舞台は長崎県波切島。ひとりの天才ランナーが成長していく物語で、短距離、駅伝、マラソンといくつかのシリーズにわかれています。
映画の中では、高校駅伝の長崎代表を目指す部員が走る「場所」が作品のこだわりで、長崎市では3つの大会が開催される場所が使われています。そこにしかない景色が欲しいということで、練習をする壱岐でも長崎でも「橋」にこだわったそうです。
とくに、女神大橋を撮影できたことは全国的にも珍しいので、風景にもこだわって観てほしい作品です。

マラソン

公開日:2005年1月27日 (韓国)、2005年7月2日(日本)
監督:チョン・ユンチョル
脚本:ユン・ジノ
主演・出演:チョ・スンウ  (ユン・チョウォン)、キム・ミスク  (ギョンスク)、イ・ギヨン  (チョン・ウク)他

あらすじ:

5歳児並みの知能しかない20歳のチョウォン(チョ・スンウ)は、“走り”の才能だけはピカイチ。母親のキョンスク(キム・ミスク)は何とか長所を伸ばしたいと願い、かつての有名ランナーで、今は飲んだくれのチョンウク(イ・ギヨン)にコーチを依頼するが……。

引用:http://eiga.com/

おすすめポイント

『走れ、ヒョンジン!』(パク・ミギョン著)が原作で、日本では人気アイドルグループの嵐の二宮和也さん主演で、2007年にTBS系テレビドラマ『マラソン』として放映されました。

走ることに対して純粋に喜びを感じる主人公がフルマラソン完走に挑む中で、親やコーチとの紆余曲折を描いた感動ストーリー。
映画のオススメのポイントは、クライマックスのマラソン大会シーン。このシーンは実際の大会の中で撮影されたものです。

マラソンをとおして、障害のある子どもと向き合う親の姿勢や、子どもと親の努力、教育とはなのか…… などのテーマが描かれています。

風が強く吹いている

公開日:2009年10月31日
監督:大森寿美男
脚本:大森寿美男
主演・出演:小出恵介(清瀬灰二)、林遣都(蔵原走)、中村優一(柏崎茜)他

あらすじ:

高校時代に天才ランナーと呼ばれながらも、事件を起こして陸上から遠ざかっていたカケル(林遣都)。ひざの故障で陸上の道をあきらめた元エリートランナーにして、寛政大学陸上競技部のリーダーでもあるハイジ(小出恵介)は、そんなカケルを陸上競技部にスカウトし、ひそかに抱き続けていた箱根駅伝出場の夢を実現させようとする。

引用:https://movies.yahoo.co.jp/

おすすめポイント

直木賞作家、三浦しをんさんの同名小説を映画化した作品。
箱根駅伝を目指す大学の陸上部には致命的な故障からはい上がる元エリートランナーや孤高の天才走者など個性的なメンバーが揃っていて、それ故の軋轢もあります。

それらを乗り越えて箱根に挑んでいく姿はマラソンファンでなくとも楽しめます。
見どころは、箱根駅伝の臨場感を再現するために3万人ものエキストラを集めて、1区から10区までの駅伝コースを忠実に再現しているところです。

天国のダイスケへ(ドラマ)

公開日: 2007/1/5~
演出:猪股隆一(日本テレビ)
脚本: 相沢友子
主演・出演:福山雅治(飯田洋平)、瀬戸朝香(早瀬由比子)、小栗旬(佐藤大輔)他

あらすじ:

ドラマは、政治部から仕事のミスによりスポーツ部へ配属となった新聞記者・飯田洋平(福山雅治)が拓殖大学所属の駅伝選手・佐藤大輔(小栗旬)を取材したところから始まる。
4年生の大輔らが狙うのは、正月に行われる箱根駅伝への出場。洋平は何度もグランドに通うが、なぜ選手たちが肉体の限度を超えて死の物狂いで走るのか分からない。

洋平は、その答えが選手たちが次々と手渡していくタスキにあるらしいと気付くが、その真意を理解しかねていた。
やがて、箱根駅伝出場を果たした大輔が、急性の再生不良性貧血になった。死の淵に立ちながらも家族や恋人のことを心配し、必死で頑張る大輔。
そんな場所に居合わせた洋平は、大輔が言っていた”タスキの重さ”の意味をようやく理解した――。(後略)

引用:https://movies.yahoo.co.jp/

おすすめポイント

箱根駅伝で拓殖大学の選手として出場を果たしたものの、23歳の若さでこの世を去った実在のアスリート、佐藤大輔さんの実話をもとにした作品。

映画の中では、1997年に行われた第74回大会の映像が実際に使われていて、リアルに当時の模様を観ることができます。
箱根駅伝のシーンはそれだけではなく、ドラマの序盤とラストに第79回大会の往路の映像が使われているのも見逃せません。また、エンドロールでは、生前の佐藤大輔が第74回大会で復路9区を走る映像が流れます。

ekiden [駅伝]

公開日:2000年11月18日
監督:浜本正機
脚本:遊川和彦
主演・出演:伊藤高史(岬壮介)、中村俊介(早川義彦)、田中麗奈(矢木沢さおり)他

あらすじ:

陵明大学駅伝チームの壮介と義彦。卒業後、義彦は名門の実業団“ランテック”へ進み、オリンピック出場を期待されるマラソン選手として活躍を続け、一方、“横須賀造船”に入社した壮介は、大学時代のマネージャー・さおりに支えられながら、長引く不況の為に廃部になっていた駅伝部復活に奔走していた。
さて、壮介の努力と営業部の和田や工員の大森らの参加で誕生した新生駅伝部。地区大会などに出場し徐々に力をつけ始めた彼らだったが、ある日、会社に吸収合併の話が持ち上がり、部の存続は関東実業団大会の結果次第となってしまう。しかも、ライヴァルのランテック・チームには、心臓に爆弾を抱え駅伝転向を余儀なくされた義彦が参加するという思わぬ知らせが舞い込む。

引用:http://eiga.com/

おすすめポイント

違う道へ進んだ2人のランナーの活躍と友情、そこに三角関係の恋が混ざってストーリーは展開していきます。
「やっぱり駅伝っていいなぁ」と思える作品で、タスキに込められたドラマに感動します。

駅伝にはいつも予期せぬドラマがあり、アクシデントが起こってしまうことも多いものです。そんな駅伝の魅力は、チームが繋ぐ「タスキ」のドラマ。ひとりで走り抜くマラソンとは違い、タスキいう感動のドラマが生まれます。

ラストシーンは、主人公がメンバーの思いを背負ってひたすら走り続けます。ランナーであれば、思わず走りたくなる映画です。

フォレスト・ガンプ/一期一会

公開日:1995年3月11日
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:エリック・ロス
主演・出演:トム・ハンクス(フォレスト・ガンプ)、サリー・フィールド(ミセス・ガンプ)、ロビン・ライト(ジェニー・カラン)他

あらすじ:

頭は少し弱いが、誰にも負けない俊足と清らかな心をもった男フォレスト・ガンプの数奇な人生を、アメリカ現代史と重ねて描き出していくヒューマンドラマ。(中略)
知能指数が人よりも劣っていたが、母親に普通の子どもと同じように育てられたフォレスト・ガンプは、小学校で優しく美しい少女ジェニーと運命的な出会いを果たす。俊足を買われてアメフト選手として入学した大学ではスター選手として活躍。卒業後は軍隊に入り、ベトナム戦争で仲間を救って勲章をもらい、除隊後はエビ漁を始めて大成功を収める。
しかし、幼い頃から思い続けているジェニーとは再会と別れを繰り返し……。
第67回アカデミー賞で作品賞ほか6部門を受賞。ハンクスは前年の「フィラデルフィア」に続き2年連続で主演男優賞を受賞した。

引用:http://eiga.com/

おすすめポイント

物語は、バス停のベンチに座る主人公(ガンプ)が、バスを待つ間に自らの過去を回想してバスを待つ人と会話していく中で進行していきます。
この映画はマラソンにフューチャーした物語ではなく、数奇な人生を生きたガンプの一生をマラソンシーンと重ねて描いていきます。

見どころは、ガンプの生きた年代によって文化や流行が描かれていることです。
懐かしいボブ・ディランの『風に吹かれて』やドアーズの『ハロー、アイ・ラブ・ユー』など、当時に流行ったフォークやロックの名曲が流れていき、映像でもニュースとなった記録フィルムにガンプが登場したり、ケネディ大統領やジョン・レノンといった有名人たちとガンプが合成技術で共演しているところでしょう。

単純にマラソンをメインテーマとした映画ではありませんが、マラソンの長時間にわたる過酷で孤独な長距離走を人生に照らし合わせている映画です。

まとめ

いかがでしたか。
「走る」をテーマにした映画やドラマはたくさんありますが、どの映画やドラマも「青春」や「絆」「達成感」などが素直に描かれていて、「やっぱり人生ってマラソンだな」と思ってしまいます。

ランナーであれば実感することですが、マラソン大会にはランナーの数だけ感動や悔しさ、苦しさなどのドラマがあります。
マラソンはひたむきで地味な努力の積み重ねの先に目標の達成感があります。
ランニングやハーフマラソン、フルマラソンはそれぞれに目指すランナーのドラマがあります。

自分と仲間のドラマを楽しみながら今日も走ってください。