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げんき~ず 宇野けんたろうさん

vol14[後編].げんき~ず 宇野けんたろうさん –吉本興業所属

ランデブー駅伝第14回は吉本興業所属、お笑いコンビ「げんき~ず」として活躍している宇野けんたろうさんです。お笑い芸人として活躍しながら、マラソンを楽しんでいる宇野さん。

マラソン好きを増やした?!と言っても過言ではない、人気ドラマTBS日曜劇場「陸王」に立原隼斗 役で出演。陸王出演時のエピソードもたっぷりお届けいたします。

今回お送りする後編では、「陸王」に出演された際のエピソードをお話しいただきました。竹内涼真さんもオーディションに?!ドラマ出演者だけが知るドラマの裏側をお送りします。

Q1.オーディションで役を勝ち取ったTBSテレビ『陸王』のエピソードを教えてください。

オーディションも何百人体制でやっていて、主役の竹内涼真君もオーディションから参加していて驚きました。
視聴者は主要キャストは最初から決まっていると思うじゃないですか、ぜんぜん違うんです。
主要キャストの人も、オーディションから参加しているんです。

一緒にオーディションを受けていた方も、NHKの朝ドラに出ている人とかすごい俳優さんばかりで、さすがに「これ、無理だろう」と思っていたんですが、竹内涼真君、佐野岳君、和田正人さん、そして僕の4人が最後の4人に残ったと会社から言われました。
オーディション自体は4次オーディションくらいまでありました。最終的にこの4人に残れたというのは嬉しかったですね。

オーディションでは最初は演技だけだったんですが、オーディションが進むにつれて走りを見るようになりました。
青山学院大学に行ってグランドで200メートルのインターバルをやって走りを見て決めるという感じでした。
箱根駅伝に出ていた選手もオーディションを受けに来ていましたが、落ちている人も多かったです。

抜擢後にプロデューサーさんに
「宇野君、走りだけで選ぶわけじゃないからね。走りができて演技ができて選ばれたんだから、ちゃんと自信を持ってください」
と言われたことは嬉しかったですね。

Q2.『陸王』は青山学院大学の原監督が監修をされましたが、どうでしたか?

猛練習です。インターバルばかり。
毎回200メートルを10本。それは出演者全員、もちろん竹内君や佐野君もみんなでやりました。

本当に、撮影は大変でした。
100メートルを100本くらいダッシュしたり、みんな足が痛い状態でも我慢して走ったり。
しかも撮影をしていた去年の10月頃は台風がきたりしたので大雨の中走ったりもしました。

Q3.『陸王』に出演された際のエピソードがあれば教えてください。

竹内君は勉強熱心で「僕のフォームどうですか?」って聞いてきてくれたので、走りについてはアドバイスをしました。
そのかわり、僕はドラマはほとんど出たことがなかったので彼に演技を教えてもらいました。

彼とは一緒に温泉に行って「陸王を盛り上げていきましょう」と熱く話しました。
彼と温泉に行ったことは思い出深いですね。

ドラマの撮影が終わってからも、連絡を取り合ったりしています。
竹内君が仕事でワールドカップに行ってて、連絡をとったらワールドカップの写真を送ってきてくれました。
すごく良いヤツですホントに。

あれくらい凄いドラマになると、結構カットされるシーンが多いんですよね。
竹内君と僕がやりとりしているシーンもあったので、演技の細かいやり取りをして本番に臨みました。
本番修了後もお互い「よかったね」と話して後日放映されたドラマを観たら、なんと全部カットされていたんです(笑)。
観たときはショックでしたけど時間の都合上だからしょうがないですよね。

しょうがないか、とへこんでいたら竹内君からメールが来ました。
「宇野さん悔しいかもしれないけど、僕も悔しいです。宇野さん一生懸命やってるのわかります。走る面ではお世話になってる。演技もわからなかったら僕、サポートします。一緒に頑張っていきましょう」
いいやつだなぁって、嬉しかったですね。

次の日に御礼を言いに行こうと思っていたら共演者の和田正人さんに会って、
「お前カットされちゃったなぁ」なんて言われて「そうなんですよ」と話していたら
「番組の終わった後、竹内君から連絡があってな、宇野さんがカットされてましたって!ってメチャ爆笑してたぞ」って(笑)。

笑ってんじゃねぇか!と思いましたが、竹内君は気遣いもできてユーモアもある優しい人だな、と思いました。
共演者の方にも恵まれて、いいドラマに出演できたなと思いました。

Q4.走りやお笑いでライバルはいますか?

走りについてはライバルはいません。
今、走る芸人さんはいっぱいいますから、みんなで盛り上げていけたらおもしろいことができると思うんです。

僕は走ることはもちろんですが『陸王』に出て、もっと上を目指していきたいなと思いましたね。
「こんなにすごい人たちがいっぱいいるんだ」って刺激をもらいました。

それまでの僕は「タイムが上がっていったらいいな」と思って練習をしていたんですが、ランナーとして、芸人として、それだけではなく、演技もしっかりやらなきゃダメなんだって思うようになりました。

Q5. お笑い芸人とランニング。今後の展望を教えてください。

展望は東京オリンピックですね。僕は障がい者のスポーツ指導員の資格を持っているんです。
だから、障がい者の方の伴走をやってみたいですね。

これまでも代々木公園などで視覚障がい者の伴走をするイベントを定期的にやっているので、それに参加することもあります。
全盲の方はひもで誘導するんですが、全盲ではなく前が少しだけ見える方は、僕が前を走って背中を見ていればずっと走れるんです。
だから、目立つカラフルなウエアを着て走ります。

全盲の方は「10メートル先を右に回ります」「マンホールがあります」など細かな状況を伝えます。
全盲ではない方はペースだけ配慮すればタイムを意識できます。

伴走者で速く走る人はあまりいないようなので、僕が練習をサポートしたときは記録もアップして「ありがとう」って感謝されたんです。
「こんな良いことないよなぁ」って実感しました。

2年後には東京オリンピックも始まるし協力できたらいいなと思っています。
あと、走っているときに視覚障害やなんらかの障害を持っている方が倒れたときのためにAEDの講習も受けて認定書ももらっています。
伴走するだけではなく、アクシデントがあったときに対応できるように受けました。

2020年に向けてタレント活動もしつつ、そういう伴走者についてもやってみたいと思っています。
何よりも、伴走した障がい者の方にすごい喜んでもらえるなら協力したいなと思います。

もちろん、仕事も展望を持っています。
来年2019年から始まる大型ドラマにも出演する予定なので、まずはそのドラマを頑張りたいと思っています。是非見てほしいです!
芸人としてはもちろん、いろいろなタレント活動の幅も広げていけるようにチャレンジできる活動を続けていきたいです。